福寿園宇治工房で煎茶会
NHK文化センター大阪教室 谷利 宇楽
 宇治にある福寿園宇治工房の茶室「華松庵」で2009年8月27日、小川流の煎茶会が催されました。小川可楽家元嗣が、席主を務められ、お客様は、関西みずほ経営者研究会のメンバー。中小企業のオーナーや後継者の方々です。
 福寿園宇治工房は2年前、宇治川を挟んで平等院の対岸にある地に作られました。手もみ茶づくりや煎茶教室などが楽しめ、茶寮で食事もできる施設です。
 茶室「華松庵」は、二階の八畳間。床は黄檗山萬福寺第六十一代管長、岡田亘令(こうれい)師の「茶是長寿友」の軸、花は秋明菊、百合、矢筈薄。お手前は、今仲行楽さんによる器局玉露手前。取り次ぎは谷利宇楽がつとめました。
 参席された方々には、午後3時ごろから、12、3人ずつの2組に分かれ、お席にお入りいただきました。茶葉は、福寿園の玉露「金雲」。男性ばかりのお客様で、煎茶席は初めての方が多かったようです。
 一煎目に「ほぉーっ」、二煎目には「うーん」といった感嘆の声が漏れました。 俵屋吉富のお菓子「洛北」の秋草模様にも気付かれ、お白湯のおいしさも改めて感じられた様子でした。
 可楽家元嗣は、伝統文化である煎茶道を説明する中で、言葉を用いないコミュニケーションとして煎茶道を捉え、現代社会への社会貢献を探る道を、語られました。 二席とも、皆さん、お手前を見学された後、手前座に集まり、器局に描かれた「高士観瀑図」をご覧になったり、可楽家元嗣に湯さましの役割を尋ねられたりして、大いに興味を持たれたようです。
 今回参席された方々は、可楽家元嗣とほぼ同年代。熱心に質問をされている姿を近くで拝見して、煎茶道の面白さを多くの方に知っていただく余地は、まだまだ広く残されている、と感じました。
  

 

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