平成25年後楽堂初煮会

 2013年1月7日、新春のすがすがしい気配の中、今年も後楽堂にて初煮会が催されました。
 今年は曜日が平日の月曜日ということもあり、出席の方が少なめではありましたが、その分ゆったりと新年のお茶席を味わった方も多かったのではないでしょうか。
 10時からの許状授与式に際し、まず、総師範の大塚清楽先生から開会のご挨拶。続いて御家元のご挨拶。「先代の和歌に『長かりし六十路のわかれ岐れこえてけりこの芽の道はまだ麓にて』というのがあります。私も若い頃はあまり実感もなく、遠い先のことと読んでいたのですが、昨今は同感するようになってきました。体力的にも衰えを実感するこのごろですが、最近、煎茶や小川流に関する新しい資料が次々と分かってきました。これを明らかにし、残る力を出来るだけ使って、後世に残していくことを私の最後の仕事としていきたいと考えています。よって、表舞台にあまり出なくなることも多々あると思いますが、その方面に力を入れているとご理解いただければと思います。皆様に見てもらえるものを作っていきたいと精進しております。また、可楽家元嗣も今年の秋から仏教大学での講義を引き継いでくれるようです。皆様のご支援ご理解をお願いしたいと思います」
 この後、上の許状から順次拝受。授伝者は、それぞれに御家元から労いのお言葉をかけていただき、更なる精進を誓っておられました。

    

 席改まって、御家元後見のもと、可楽家元嗣のお手前で一煎いただきました。
新年一番にいただく本格手前の一煎は、また今年も、との気持ちを呼び起こしてもらえます。そして、毎年のことですが、来賓の先生方も同席され、御家元と楽しげにいろいろお話しされる様子を近くで拝見出来るのは、まさにお茶会の、そして文人墨客の寄り合う煎茶席の醍醐味ではないでしょうか。

    

    

 お待ち合いでは、大福茶の香煎のお持て成し。また文人の間での投扇競や揮毫席と、初春の趣向がいろいろご用意されていました。得意の俳句を考える方、飾り物をスケッチして絵にする方。そして、ご来賓の冷泉様は即詠を一首残してくださいました。
 お席を済まされた方は、中国の間の競茶で一煎まじえるかたも。今年は正解者も多く、大いに賑わっていました。
また、別館では、菊乃井さんのお料理がご用意され、奥様自ら銚子をとられてのお持て成しに終始和やかな様子が見られました。
 翌8日も、各界からのご来賓をお迎えし、二日にわたって清雅の莚がゆったりと行われました。

    

    

    


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