二条城市民煎茶の会

 今年も連休中の2012年5月5日、二条城清流園において市民煎茶会が行われ、小川流は直門で金曜日にお稽古している方々とNHK文化センター名古屋教室の方々がご奉仕されました。
お天気にも恵まれ、毎席大勢のお客様をお迎えし、器局煎茶手前でのおもてなしでした。





二条城市民茶会に参加して

NHK文化センター名古屋教室  柴田得楽

 5月5日の前日翌日ともに大雨でしたが、当日は一転まれに見る好天の下に、緑滴る薫風の中で二条城市民茶会は催行されました。
 今年は、深田千楽先生(前名古屋支部長)の追善供養も兼ねた茶会となり、名古屋支部から深田菊楽支部長をはじめ多数が参加して担当させて頂く茶会となりました。
 ここ二条城は、日本の近代化の幕開けとなった幕末激動の京都を静かに見守って来たところでもあり、この二条城が正式に使われたのは、徳川幕府初代将軍徳川家康公の将軍宣下の賀儀と、最後の将軍徳川慶喜公の大政奉還とで、最初と最後の二回だけ使用された由緒あるところであります。

    

 さらに、茶会会場となった清流園和楽庵は江戸初期の豪商・角倉了以の堀川にあった庭園を移築し、さらに新築された茶室であり、小川流は先代のころからここでお茶会を催行してきており、小川流の興隆を見届けて来ている歴史ある場所でもあります。
 私供小川流は茶味を第一とする流儀ですが、当日は好天でもあったことから、凡そ300名の人々が参加され、中には外国の方々も見届けられ、殆どの人達がお煎茶を喫するのが初めてのようでした。思い思いの所作でお茶を口に運び、一気に喫し、異口同音に「美味しい」とおっしゃるのを聞くにつけ、お手前、お運びをさせて頂いた私共も大いに達成感を満喫させて頂きました。

    

故・深田千楽先生は京都で小川流煎茶道のご修業をされ、名古屋での小川流の拠点を支えてこられた方でした。その遺作となった粽のお軸がたてだし席で皆様をお迎えし、鎮もる茶席の中でお手前させて頂いた私達や千楽先生に縁の者も大いに学ぶものの多かった一日となりました。


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