SBS学苑パルシェ茶会に参加して

SBS学苑パルシェ教室  竹内敏子

    

 梅香薫る2012年2月19日、駿河徳川慶喜公邸跡の浮月楼を会場に、SBS学苑パルシェ教室の各流派の茶会が開かれ、小川流は立礼席を担当することになりました。
 教室が開講して5年になり、会員同士の気心も解け合い、楽しい雰囲気の中で稽古を積んで参りました。そして毎回毎回美味しいお茶の味を出すことの如何に難しいかを知る日々でした。静岡はお茶どころとして煎茶道の盛んな土地柄ですので、茶会では小川流のお茶をどのようにおもてなしすれば、入席して下さった方々に喜んで頂けるかに心をくだきました。

    

 立礼席のしつらえは、前夜から可楽家元嗣と京都から応援にかけつけて頂いた師範の諸先生方のご指導により、床机台を重ねて一畳敷の座礼式手前座。客席は椅子席の形となりました。小さな床の間代わりのスペースには御家元御染筆の「両腋清風一碗中」の短冊と、竹筒にわらび、ぼけ、うぐいすかぐら他の花が入り、一足早い春の空気が感じられました。
 お手前は「月華煎茶手前」、お茶は「さくら」、お菓子は「早春」と銘うたれ、菓子器は練りこみの「富士山」でした。一煎目のお茶は小川流独特の茶味、香りを味わっていただき、ニ煎目はたっぷりとお茶の味を楽しんでいただける、欲張った贅沢な手前です。 まだ未熟な私達には少々背伸びした手前だったと思います。お水屋の大事な所を、京都、東京の先生方が万全の体制で受け持って下さり、ありがたく心より感謝申し上げます。

    

 お客様お一人お一人にお運びする人と手前座の人と心合わせて格調高く、一座建立を心がけて参りました。席をお立ちになる皆さんから「目からウロコが落ちた」と口々にお褒めの言葉を頂き、何よりも嬉しい事でした。可楽家元嗣の後見のお話が解り易く、とても良い席でしたと後日談の声も聞きました。
 大勢の先生方のご助力を頂き、盛会に終了しました事、心より御礼申し上げます。これからも精進して参る所存です。感謝。


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