伊東美楽社中 横山偕楽
2011年5月5日、新緑の香りが爽やかに漂う二条城香雲亭、小川流担当のお茶席に参加させていただきました。東日本大震災から二カ月、被災地の一日も早い復興、復旧を願いながら一同、心をこめての一煎でした。床には明治・大正の書家、日下部鳴鶴のお軸。早川尚古斎の花籠には、花菖蒲、芍薬、ナナカマド、レースフラワー、立浪草、イエロージャスミン、ほうちゃく草の七種。炭飾りの銘は「端午」。三本の炭は鯉を表し、敷き紙は白つつじ襲、副物は兜、お軸に始まり全てに子供たちの健やかな成長を願っての御家元のお心配りでした。
お手前は「器局玉露手前」。和善作のかわいいお茶碗もこどもの日に因んだものでした。茶銘、「たちばな」、お菓子は「こいのぼり」、お茶席に笑顔がこぼれました。今までは先輩方の下で勿論緊張の塊でしたが、気分的には楽な点もありました。でも今回その先輩方の欠席で目配りをする立場にまわりました。後輩の取次席では、お茶の量は?湯冷まし、お茶の配分は?等々自分のお手前以上の緊張でしたが、無事終了いたしました。
いろいろご配慮下さいました御家元様、かげで支えて下さいました直門の先生方、そして幸運なお天気にも感謝です。これからはどんなときにも平常心で美味しいお茶が淹れられます様、精進して参りたいと思っています。
伊東美楽社中 森元早紀
小学三年生になったばかりの4月、社会見学が寝屋川市立中央公民館、丁度公民館祭り、そこにお茶席がありました。「又来てね」の言葉に釣られて初めてお茶会に行ったあの日、あの出会いが始まりでした。あれから十二年、お稽古に通った日もあれば顔を出すことすらできない時期もありました。そして成人式を迎えた今年、先生のご好意で二条城のお茶会に出させて頂きました。中学生になった記念に一度だけ、お茶会でお手前をさせて頂いただけの私達を先生はまた一から指導して下さいました。
学校等の関係で十分なおけいこも出来ず不安を抱えたまま当日を迎えることとなりました。たくさんのお客さん、緊張感のある空間、一歩踏み入れた瞬間頭が真っ白になりました。少しづつ気持に余裕が出来、笑顔も出るようになってからはアッという間でした。疲労感もなく、もう終わってしまうのかと惜しく思いました。
いくつか失敗もあり申し訳なく思っていますが、あの場に、あのお茶会に参加させて頂いたことを誇りに思います。そして貴重な経験の中で得たものをこれから活かしていけたらと思っています。
伊東美楽社中 今井麻由佳
お茶会当日、無事にお運びが出来るのか、とても心配でした。伊東先生から「大丈夫、今までお稽古してきたとおりにすればいいですよ」と、言葉かけて頂きました。それからは気持が落ち着き自信を持ってお運びすることができました。また笑顔でお迎えしたお客様が、笑顔で「ありがとう」とお帰りになられる姿をお見送りしてとても幸せな気持ちになりました。
私が伊東先生と初めてお会いしたのは小学三年生の時でした。今から十二年前のことです。先生と教室の皆さんにはとても可愛がっていただきました。この度のお茶会では、その十二年間の感謝の意をも込めて一生懸命お運びさせて頂きました。大変貴重な経験を得たことに心から感謝しています。そして成人式を迎えたこの年のこの経験は大切な、大切な宝物です。これからは就活で大変ですが、「仕事の中でも美味しいお茶を皆さんに差し上げられたらいいな」と思っています。