神戸・梅田交流茶会

NHK文化センター梅田教室 谷利宇楽

 寒さも和らぎ始めたお彼岸の2011年3月21日、NHK文化センター神戸教室と梅田教室の交流茶会が、神戸・三宮の生田神社において開催されました。
 神戸教室の大塚喜楽先生が米寿、梅田教室の細田徳楽先生が古希をお迎えになり、祝賀の会が、両教室の親睦茶会として実現しました。両先生の長年に亘るご指導に感謝して、小雨まじりの天候にもかかわらず、約140人のお客様がお祝いの席に連なりました。
 茶席が設けられたのは境内の神泉亭。待合の座敷には、盧仝の茶歌を引いたお家元染筆の短冊「天遊両腋玉川風」が掲げられ、席入りの期待を盛り上げました。 

 本席は、季節を先取りした観桜玉露手前でのおもてなし。床には、中国の敦煌壁画を模写した掛幅。二人の色鮮やかな天女が優雅に舞い、両先生を寿いでいました。
 花は尚古斎の竹籠に、椿、雲竜やなぎ、こでまり、きぶし、あせびと、季節のもの。手前座には、四君子の涼炉、仙果の水注、取り次ぐ茶托は双鶴透し、お菓子は「うたげ」と、おめでたい取り合わせ。脇床には、炭飾り「柳塘」に春蘭が添えられ、茶名「白藤」が、春の訪れを告げていました。お手前は、神戸、梅田両教室の社中が交代で務め、六席を無事終えることができました。

     

 茶会の後は、場所を変えて懇親会に移り、歓談のひと時。参加者の一人一人が、両先生への謝辞を述べました。笑顔が魅力の大塚先生、洒脱な人柄の細田先生、お二人のご健勝をお祈りして、和やかな会は、花束贈呈でお開きとなりました。
 交流茶会の十日前に東日本大震災が発生し、日々の営みの中で、大過なくお茶会が楽しめるありがたさを感じる一日でした。
 お越しくださった可楽家元嗣、家元夫人、嘉楽様、珂楽様をはじめ、後見と水屋をお引き受けくださった諸先生に厚くお礼申しあげます。
 お茶室をお貸しいただいた生田神社にも感謝いたします。

     

     

 当日、お寄せいただいた大震災義援金は、神戸、梅田両教室名で、NHKを通じて日本赤十字社に寄託しました。


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