2011年1月23日、大阪八尾市の旧植田家において煎茶会が行われました。
旧植田家は、江戸時代、大和川の付替え工事により造られた安中新田の会所跡を継承した歴史的建造物で、一般公開しています。
旧植田家では、お座敷に炭飾りや本格手前の道具をいつらえ、本格草のお手前でお客様をお迎え。お茶席に席入りされた、関西大学大学院の谷口弘美様は、「煎茶を入れる手さばきは鮮やかで、ただ圧倒されるばかりであった。(中略)煎茶の入った茶碗が参加者の目の前に並べられた。〔一煎目〕のお茶は、口に含むと、甘くて濃いお茶の味が口の中に広かった。参加者も最初は緊張していた様子だったが、煎茶を飲むと次第に笑みがこぼれ、会話も進み、茶席は和やかな雰囲気になった。〔二煎目〕のお茶は少し苦味があるが、口の中でスーッと広がり、茶葉本来の味を楽しむことができた。(中略)最初は〔煎茶ってこんな数滴だけのお茶なの?〕と感じたが、飲んでみてびっくり。お茶の香りが口いっぱいに広がり、茶葉が持つ甘み、苦味に酔いしれてしまった。この数滴のお茶に煎茶の世界観が盛り込まれているのだ」と深く感動された様子を当家の冊子に記して下さいました。
また、当植田家は資料室に煎茶道具も展示しておられるようで、機会のある方はぜひご覧になってみてはどうでしょうか。