第一回松籟茶会

新潟教室 石丸 睦楽

 2010年10月9日、第一回松籟茶会が、ここ長岡の地・朝日酒造の松籟閣で始めて催され、御家元、可楽家元嗣お二人をお迎えしました。
 本席は家元席、副席は朝日酒造煎茶部、その他揮毫席、小饌席、おせんべいを目の前で焼いていただくお番茶席、そして、酒造会社主催らしい利き酒処、甘酒処など他のお茶会では味わえない楽しい会でした。
 新潟教室は本席のお手伝いで、長岡の先生方が中心になり、9月10日の下見から前日の席の準備・手前・お運び等細かい打合せをしました。
 茶会当日はあいにくの雨でしたが、、出席者300名余りで、9時の一回席入りからスケジュール通りに進み、4時過ぎに最後の席が終わりました。
 本席は本格手前で、座右荘・手前荘のお道具は、御家元が京都からお持ちになり、長岡は床の間の道具を担当いたしました。
 一回の席は御家元が後見、可楽家元嗣がお手前をされ、お客様は大変驚かれ感激ひとしおでした。お二人とも席まわりの間を縫って本席に出られ、床の四世筆の軸「粗淡百飲不如慈味一喫」について話されました。この長岡の地に昔から小川流が盛んであったこと、そして、涼炉に刻字された五世から、六世当代御家元、七世可楽家元嗣と脈々と続いていることを話され、お客様も熱心に聴いておられました。

    

    

 しかし、本席と他の席が離れているため、雨の中の往来は大変だったと思いました。また、揮毫席も芝生を通って行くため、草履や足袋が濡れるので見合わせた方々もあり、とても残念がっておりました。第二回は是非お天気になります様に願っています。
 また、新潟教室の事務局の方々には、茶会の道具の準備から当日の本席の運営・茶道具の管理等諸々の仕事ご苦労様でした。本当にありがとうございました。お礼申し上げます。
 

第一回松籟茶会

後楽堂直門 長谷川 佳楽

 2010年10月9日、お清めの雨がしとしと降る中、第一回目の松籟茶会が新潟県長岡市 朝日酒造において行なわれました。
このお茶会は、朝日酒造煎茶部が創部されて3年、文化事業部の西脇美智子様が2年前から企画されて、今年ようやく再現されたものでした。
 本席は、国の登録有形文化財に指定されている松籟閣という建物です。本格手前が新潟教室の皆様でご奉仕されました。この建物は昭和の初期に建てられたもので、窓枠・欄間・襖等、大変凝った意匠で、すばらしいものでした。お軸は四世家元書、涼炉は五世家元染筆、第一席目は当代御家元の後見、お手前は可楽家元嗣と、四・五・六・七世がお揃いの感動的な共演でした。
 お正客のNST新潟放送局の大橋社長様、酒井支社長様、朝日酒造 平澤社長様はお茶の味、そしてこの舞台を大層喜んでおられた様子でした。

    

    

 揮毫席は、文房四宝の一つとしての紙にスポットを当て、手漉和紙を展示され、その中でも毎日新聞社が創立百周年を記念して製作した手漉和紙大鑑の展示は圧巻でした。
 副席は、地震で被害にあった建物を新築されたモダンな建物で、その一階の広いエントランスホールで立礼略盆煎茶手前を、近藤栄楽先生ご指導の煎茶部の皆様でご奉仕されました。「赤壁に遊ぶ」というテーマでお席が作られていましたが、立礼用の机は30年前の酒桶の蓋を加工したもの、花入は竹で編んだ徳利を使われ、この中では書き尽くせない程趣向を凝らした、お道具が使われておりました。お運びさんの中には、スーツ姿の男性がおられ、それがその空間ととてもマッチしていて素敵でした。
 お待合はお煎餅を焼いての番茶席、二階では朝日普茶料理を供する小餞席、きき酒処、甘酒処と盛りだくさんの催し物でした。お客様は雨にもかかわらず半分以上の方が着物姿、発券の99%の350名余りの方がお越し下さった事からも、新潟の方の関心の高さがうかがえました。
 京都のお茶会では、ゆっくりとお茶席に入らせて頂く機会はほとんどありませんが、初秋の一日、心から楽しませて頂く事が出来ました。ありがとうございました。すばらしいお茶会でした。来年も楽しみにしております。
 

第一回松籟茶会

朝日酒造煎茶部 長束 雅子

    

 少しずつ秋を感じ始めた10月9日、新潟県長岡市(朝日酒造内)にあります国の登録有形文化財「松籟閣」に於いて、第一回松籟茶会を開催致しました。
御家元による本席と、朝日酒造煎茶部の副席、小餞席、揮毫席、お番茶席、そして、酒蔵ならではのきき酒コーナーや、甘酒の提供など、お客様に一日ゆっくり過ごしていただきたいと趣向し、300名を超えるお客様をお迎え致しました。
 朝日酒造煎茶部は、名の如く、ほとんどの部員が酒造メーカーの社員で構成されています。おもてなしの勉強として煎茶部を創設し、中川艸楽先生よりご指導いただき4年目を迎えました。そのような私達がお席を持つ事など夢の話とばかり思っておりましたが、ぜひ、地元でも小川流の美味しいお煎茶を知って頂こうと開催の運びとなりました。

    

    

 当日、本席では、御家元のお話しに可楽家元嗣自らの本格行のお手前で同席されたお客様一同大感激されました。又、お水屋等のお手伝いは新潟教室の先生方がご担当いただきました。
 副席では、近藤社中の皆様にお水屋のお手伝いをいただきました。全てが初めてで戸惑う私達に、『水屋は任せて』『笑顔で。楽しんでおいで』と温かいお言葉を掛けてくださり、私達には心強い味方が側にいてくださる事を大変頼もしく感じました。
 お手前が始まり、緊張の為に手が震えている私に「美味しいですよ」とお正客の御家元が優しいお言葉を掛けてくださいました。その一言で今までの不安は払拭し、緊張の中にも、堂々と、そして楽しくお手前に集中する事が出来、本当に良い経験をさせていただきました。
 最後に、私達も本席に席入りさせていただきました。味の良さはもちろんの事、めりはりのある素晴らしいお手前に一同大変感動致しました。私達も多くのお客様にこの感動を味わっていただけるように、これからも、精進してお稽古に務めたいと思います。
 未熟な私達がお茶席を持てたのも、御家元並びに可楽家元嗣、随行の京都の先生方、新潟教室の皆様、近藤社中の方々のおかげだと思っております。この場をお借りして、お礼を申しあげます。


 

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